安斎からコラム『ワークショップを学習と創造に溢れる“楽しい”企画にするためには?』 [WorkShop-Mail Vol.1]: ワークショップデザイン入門〜学びと創造の場作りの手法を学ぶ〜

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  OpenCU WorkShop Mail
  2013年3月25日配信 Vol.1

  安斎勇樹「ワークショップデザイン入門」

  Text:安斎勇樹
  発行:OpenCU WorkShop事務局
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

本メルマガは、OpenCU WorkShop「ワークショップデザイン入門」の参加メンバーに向けた情報を発信しています。

◇INDEX

1)前回の講座資料
2)本来のプログラムの長さ
3)楽しさの重要性
4)質問と要望の募集



■前回の資料 ━━━━━━━━━━━━━━━・・・‥
第1回目の講座、お疲れさまでした。実際に3タイプのLEGOワークショップを体験してみて、いかがでしたでしょうか?後半の講義はやや早口で説明しましたが、次回あらためて振り返る時間をとりたいと思います。講義内容の要点を1ページにまとめた資料をアップロードしましたので、是非振り返りにお使いください。

http://yukianzai.com/130322_opencu1.pdf

■本来のプログラムの長さ ━━━━━━━━━━━━━━━・・・‥

22日のワークショップ体験では、5分ver、30分ver、1時間verという長さでワークショップを実施しました。これらは通常どの程度の長さなのか?というご質問を頂きましたので、お答えしたいと思います。

A)LEGOの高積み
LEGOの高積みは、ワークショップのエキスパート上田信行先生が発案されたアクティビティで、シンプルながらも没入度の高いアクティビティです。
これはアイスブレイクとして行う場合が多く、例えば積み上げる時間を2分ではなく3分〜5分くらいに伸ばして実施することも出来るでしょう。時間を伸ばせばLEGOが天井まで到達することもあり、そうすると達成感を演出することができます。いずれにせよ、長くても10分程度でしょう。

B)自分の仕事観を表現する
2つめに30分で実施した仕事の価値観をLEGOで表現するプログラムは、本来はアイスブレイクなど含めて3時間半ほどで実施するプログラムです。
具体的には、「働く」の辞書風に定義してもらうワークから導入し、実際にまずは一度LEGOで仕事の価値観を表現してもらうことを前半で実施します。その上で、レクチャーとして「働き方」に関連する話題やキーワードを10個ほど紹介し、ポストイットを使って価値観をより深めていきます。その上で4つのキーワードを選び、再びLEGOで仕事の価値観を表現し直してもらいます。こうして出来上がった作品を、45分間ほどかけてじっくり展覧会形式で鑑賞しあい、リフレクションをして終了です。このワークショップはこれまで何度か実施していますが、実際のタイムテーブルは下記のようになっています。ここまでやると、さまざまな意見を取り入れながら、自分の価値観を深めることができます。

00:00-00:20 イントロ&アイスブレイク
00:20-00:50 「働く」をLEGOで表現(1回目)
00:50-01:30 「働く」の理解を深める
01:30-02:15 「働く」をLEGOで表現(2回目)
02:15-03:00 「働く」の展覧会
03:00-03:30 リフレクション

実施した際のレポートはこちらです。
http://yukianzai.com/blog/2012/12/10/434/

C)超高齢都市のサービスをデザインする
こちらは今までやったことがないプログラムのためなんともいえませんが、目的に応じて必要な長さもかわってきます。もし専門性を共有するチームビルディングが純粋な目的であれば、2時間程度で十分かと思います。サブワークを挟むとすれば、お互いの専門性のスキルをポストイットで複数挙げるようなワークをワンクッション挟むことで、より専門を活かしたお店のデザインがしやすくなったのではないかと思います。

あるいは、もし地域活性などで本当に使える可能性のあるアイデアを生み出すところまでやるのであれば、少なくとも4〜5時間は必要かと思います。実際には、該当する街のエスノグラフィー(商店街を歩きながら、実態を観察する)の活動を入れたり、関連する領域のゲストによる15分程度のミニレクチャーを2本くらい挟んだりなど、よりリアリティのある前提作りと、創発のための種を仕込み、その上でメインワークに入るようなイメージです。
理想的には、このようなワークショップを何セットか繰り返す中で、実際に使えるアクションプランまで落とし込んでいくのが一般的だと思います。

■楽しさの重要性 ━━━━━━━━━━━━━━━・・・‥

さて、今回のワークショップ体験を終えて、「あー、楽しかったー」と言って下さっている方が多くいらっしゃいました。まさにワークショップの魅力の一つは「楽しい」ことであり、LEGOというツールはそれを支えてくれていましたよね。

ワークショップが参加者にとって楽しい活動であることは、プラスαのオマケではなく、ワークショップにおいて本質的に重要です。何か目的を達成するための手段として「楽しさ」があるのではなく、「遊び」や「芸術活動」のような自己目的的な行為に没入する中で、その副産物として、通常のやり方では得られない学びや創発が生まれる可能性があるのです。

心理学者チクセントミハイは、人間が活動に没入し、楽しさを感じている状態のことを「フロー」状態と名付け、様々な分野の活動の調査を通してフロー状態の特徴や生起する要因について分析しています。チクセントミハイによれば、「楽しい」と感じているフロー状態の時は、 どの分野においても「時間を忘れるほど活動に極度に集中している状態」「環境と自分が一体化している感覚」「行動を調節しながら次々に新たな状況に対応できている状態」などの特徴があることが明らかになっています。また、チクセントミハイによれば、フロー状態の時は、そうでない時に比べて、創造性を発揮しやすい状態であることが指摘されています。

また、その他の心理学の研究からは、メタ認知(気付き)を促すためには「心を揺さぶる感動」を引き起こすことが有効であることを指摘しています。思う存分体験をして、感情が動き、思考が揺さぶられて、はじめてそれを自覚化することの前提が作られるのだそうです。子どもに限らず、大人であっても、楽しさのあまりについつい何かに没入してしまったあとで、「ハッ」と我に返って思わぬ自分の一面を発見したり、その経験の意味を考えてしまったりすることがあると思います。楽しさは、創造性を促すだけでなく、新しい気付きのための土壌にもなるのです。

チクセントミハイによれば、フロー状態に入るためには、完全にリラックスした状態ではなく、ちょっとだけ難易度が高く、能力を普段以上に発揮する必要がある活動、つまり、「少し背伸びをしている」場合に起きやすいことがわかっています。また、手を動かす活動も有効だといわれています。

まとめると、ワークショップを学習と創造に溢れる「楽しい」企画にするためには、

・少し背伸びをした課題を設定すること
・手を動かし没頭しやすいワークを設定すること
・出来る限りシンプルな目標を提示すること

などが有効であることがわかります。基本的なことですが、ワークショップデザインの際の指針にしてみてください。

■質問と要望の募集 ━━━━━━━━━━━━━━━・・・‥

講座の内容だけでは皆さん一人ひとりのニーズに細かくは対応しきれないと思いますので、遠慮なくご質問やご要望をいただければと思います。基本的にいただいたご質問には、講座の中か、あるいはメルマガ上で必ず何らかの回答をさせていただきます。


下記オンラインのディスカッションフォーラム上で、ご投稿いただければと思います。
http://opencu.com/group/design-for-ws/forum/topics/5441502:Topic:78968


もし書きにくい場合は、メールかFacebookメッセージなどでもかまいません!
Mail: gallant.tree@gmail.com
Facebook: http://www.facebook.com/YukiAnzai


また、受講生の方に限り、4月末くらいまでの間、ワークショップデザインに関する個別の相談も歓迎いたしますので、是非お気軽にご連絡ください!

 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
    発   行:OpenCU WorkShop事務局
    発行開始日:2013年03月25日
     ご意見・お問合せ
    MAIL: Open_cu@loftwork.net(担当:長者原)
  +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

コメント

コメントを追加するには、ワークショップデザイン入門〜学びと創造の場作りの手法を学ぶ〜 のメンバーである必要があります。

◎メールが届かずサインアップができない件
登録メールアドレスへの返信が迷惑メール扱いされるケースが報告されています(特にGmailの場合)。返信が届かない場合、迷惑メールもご確認ください。よろしくお願いします。

© 2017   Created by OpenCU.   提供:

バッジ  |  問題の報告  |  サービス規約

オフライン

ライブ動画